金タローです。
エネルギー企業は大きな変革期を迎えています。世界的なクリーンエネルギーの需要増加。脱石油の流れ。電気自動車の普及による需要減の懸念。
新興市場においては、まだ石油時代は終わらないとされているものの、米国のシェールオイルブームによって原油は供給過剰となりました。
2019年、エネルギーセクターはS&P500指数のうち約5%しか占めていません。
目次
長期投資家とエネルギーセクター
OPEC加盟国と米国の摩擦から原油価格は大きく変動するようになりました。
1バレル当たり60ドル付近ならば企業の業績の妨げにはならないという見方が強く、60ドルを上回れば米国の生産量が増、45ドルを下回れば米国での採掘活動は縮小し投資が不足する公算です。
エネルギー株は、長期の見通しが明るくないことから株価は下落しており、バリュー感が出ているものも見られます。グロース投資家には関係はありませんが、バリュー戦略をとる長期投資家にとっては活目すべき機会です。
しかし、エネルギーセクターは衰退業界として遠ざけるべきなのでしょうか。それとも積極的に攻めるべきなのでしょうか。
石油関連銘柄の配当利回りランキング
WSJで紹介されていたエネルギーセクターの中の石油関連企業10銘柄をピックアップし配当利回り順にならべてみました。
1位 エナジー・トランスファー(ET)
7.9%
2位 エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(EPD)
6%
3位 ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS.A)
5.8%
4位 BP(BP)
5.5%
5位 ウィリアムズ(WMB)
5.4%
6位 トタル(TOT)
5%
7位 プレーンズ・オール・アメリカン・パイプライン(PAA)
4.8%
8位 キンダー・モーガン(KMI)
4%
9位 エクソンモービル(XOM)
4%
10位 シェブロン(CVX)
3.8%
残念ながら1位と2位の企業は楽天証券やSBIでは取扱がありません。現在、この中で僕が保有するのはメジャーのBP、ロイヤルダッチ(B株)、エクソンモービルです。
エクソンモービルの2019年EV/EBITDA倍率は8.2倍。同様の事業を手掛けるシェブロンは6倍。シェブロンはさまざまな新規プロジェクトにより堅調なキャッシュフローを創出できる態勢にあり、エクソンよりも高いフリーキャッシュフロー利回りを提供していることから、シェブロンを好みエクソンへの投資を控えているマネージャーもいます。
エクソンモービルは少し買増しづらい価格になっています。
脱石油時代の石油企業への対応
2018年、米国がイランに新たな経済制裁を課すという予想からOPECは減産を止め、生産量を増加させました。しかし年末には再び減産に転じています。
OPECが減産を続ければ米国での生産量は増加するため、原油需要の増加分の約7割を米国が供給していることを考えれば、米国の輸出量は今後2倍~3倍に増加する可能性があります。
また、天然ガスも同様に輸出は膨れ上がると見られ成長余地が大きいのに、株価には織り込まれていないと見られています。
天然ガスは供給量が多く価格が低いため、投資家に大きなリターンをもたらすことができるかどうかは疑問で、見極めは難しいところです。
終わりに
投資におけるパフォーマンスは時価総額の大きさで決定されるものではありませんが、エネルギーセクターにおいては小規模企業は避けた方が無難かもしれません。
油田サービス会社はシェール革命に追い付こうとして巨額の投資によってリターンが低下し始めています。業績の下方修正による影響も受けやすく、大きな可能性もある反面、安定した長期高配当戦略に組み込むには難しさがあります。
スーパーメジャーのエクソンモービルですら、高すぎる価格に手を出せば、痛みを受けることは必然です。
投資家は忍耐強くさらなるタイミングを狙ってみてはいかがでしょうか。
それでは。
とーちゃんにまかせとけ!