金タローの脱サラ世界投資

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自己紹介~社畜-末端ソルジャー編

20代半ば、メーカーの技術部に配属となりました。大卒でもなく、新卒でもなく、設計経験がある訳でもなく。おそーい社会人生活のはじまり。 安心して下さい。長い就職浪人期間を経て、現実みとります。 夢なんて持って入社してません。

荒れはてた畑

大メーカーならきちんと順々に育ててもらえると思う。知人が入ったメーカーの教育資料は凄かった。
僕が入ったのは中堅メーカーなので、余裕がなくOJTの名のもとに基本研修はそこそこで実践投入される。 引き継ぎも何もなく、ただ現状を投げられる。

『新しい風を吹き込んでくれ。』

なんちゅー都合のいい言葉じゃ。新人に期待しすぎ。

技術部とは言え、仕事の中には時に設計以外の仕事もある。僕は末端ソルジャー。命令とあらば、
イエッサー!!やるだけだ。

設計開発職の僕は、発注、納期管理、在庫管理、LOT交渉、単価交渉。金額は億単位・・・。

・・・。

・・・。

おいちゃん、これって資材部の仕事ちゃうのん?

・・・。

考えるな。イエッサー!!やるだけだ。

出てくる出てくる前任者のミスとツケ。 管理が複雑すぎて皆が逃げた仕事だったってことだ。

海外営業部の係長が最初の頃にさんざんこの仕事でイチャモンをつけてきていた。あとから知ったが、な、な、何と、この野郎が前任者。どこが難しいかを知っていて、自分ができてない所をつついてきてイジメてきてた訳。 引き継ぎも協力もせず。いるんだね。こーゆーサイテーなヤロー。

その仕事は数年かけて仕組みをつくった。誰でもできるように。できてしまえば簡単に感じることでも
そこに到達するまでは抵抗勢力の懐柔作業など、とても困難な道のりを経た。
時々祝日を潰した。

反対の賛成の黒は白なのだ

くだらいないプライドなんて捨てろとか言うけど、本当に辛い時に自分を支えるものは一寸の虫の小さなプライドなんじゃないかな。それがない人はどうやって頑張れるのか教えて欲しい。

初年度は仕事の進め方がわからない。

同期と少し会話でもしようものなら、

「ここは仲良しクラブじゃないぞ!!」

と雷が落ちる。

わからない所は聞くしかないので上司に聞くと、

「あとにしろ!!」

かなり様子を伺ってアタックしたのに、そう言われてしまうと。あとっていつ?

生産性の低い時間。無駄に倍、消耗する。

背中をみて這い上がってこいっての?何で的確な指示を与えないの?
結論。部下に追いつかれるのが嫌だから。ザ、ジャパニーズ。

昼休み前に仕事をふられれば、13時までに処理するのは基本。イエッサー!!食事はパソコンの前でモニターと睨めっこしながら、ただの補給物資として腹に詰め込めばいい。

上司が黒いものを白と言えば、それを白にするべく努めて結果を出す。

素人目に見ても明らかに役に立たない部品。コストダウンのために無くしたいのが本音。上司の設計ならば、その存在理由を無理やり見つけ出す。なるほど、これは必要ですね!

新たな仕事がどんどん降ってくる。

「この英語のマニュアルを翻訳しろ。」

海外営業部に頼めば、彼らなら朝飯前の仕事だろうに。語学のできない僕には難易度MAX。僕はやっと就いた仕事だ。逃げられない。イエッサー!!僕が泣きを入れるのを待っていたのか、育てるためなのかはわからない。17時までに通常業務をこなし、ヨダレと鼻水を垂らしながら、残業時間で翻訳した。

上司のミスは部下のミス

まぁこれはよくある話だよね。僕は言われた通りに書類を作った。その、とある書類のハンコを上司が押さずに総務に提出。すると総務部長からの鬼電。

「お前はバイトかー。こらー。」

うげ。それうちの上司のミスやんか。どーしよーもないやん。

動かざるもの死あるのみ

有給休暇完全拒否というほど、ブラック企業じゃない。だけど熱が出た程度では休めない。

しかし、さすがにカンピロバクターにやられて食中毒になったときは2日休んだ。トイレから離れられなかったからだ。 僕は中学時代の病気のせいで毎日腹は下しているが、それで泣きを入れた事はない。でもこの時はまさに高熱と洒落にならないほどの水便&ゲロのスペシャルローテ。それでも3日目は薬を飲んで出社した。 どう、頑張ってるでしょ僕?

嘔吐と下痢と薬のせいで意識は朦朧としている僕に上司はこう言う。

「俺もしんどいけど仕事しとんねん!」

申し訳ございませんでしたぁー!
そうでございましたー!!
無学な僕ごときを拾って頂いたと言うのに、ワタクシは何と甘えたことを。
どうか、どうか、お許しを! 粉骨砕身、全身全霊をもって働きまっくす。

目の病気になって、ウサギのようになったこともある。痛みはともかく、黒目に浸潤し、視界の多くを奪われた。 病院で人にうつるし見えないだろうからしばらく休んだ方がいいと言われる。その日だけ休んで翌日は出社した。人にうつさないように目を触った手で他のものに触れないよう細心の注意を払うも、問題はほとんど見えないということ。

そんな時の方が仕事は多めに振られる。

僕の眼をみて、

「嘘では無いみたいやけどなぁ。」

怖い。

10分おきに「まだかー」「まだかー」 と攻め立てる。
もぉーしわけございません!!しばし、しばしお待ちください!僕はモニターに顔を近づけたり角度を変えたりして、微かに見える範囲を利用し、謝りながら業務を遂行した。

負け犬の遠吠え

とにかく「やります!」「できます!」で何でもやった。 会社員って他でもこうなんだろ?皆我慢して働いてる。それがお金を稼ぐということ。

仕事で行った海外の海辺で、同期のK君が言った。

「俺。辞めるわ。」

K君は昼休み中に仕事を処理しきれずに怒られていることもあった。
かなり辛そうだったが、まさか耐えきれないとは。

同期はどんどん辞めていった。

去っていくものは皆、口をそろえて、こんな会社に未来はないという。

負け犬が。 世界を相手に年間に何十万台も販売するメーカーだぞ。 お前らは言い訳ばかりして、一生地べた這いずってろ。

でも同期が辞めたときは落ち込む。同年代は全滅し、愚痴を言える相手がいなくなると、辛さは倍増した。 国内営業部の課長の前で弱音をポロっと口にしてしまったら、怒られた。

俺は上にいく。 会社からは超でかいビルが見えた。
今はそんなものに価値を感じないが、あの頃は毎日それを見て、あのてっぺんに住むようになってやる、って思っていた。

先が見えなくて

石の上にも3年と言うが、3年程度で何ができるようになる? 設計して図面を描いて試作して組込んで評価して。机上ではうまくいっていても、高速で動かすと予想外の軌道を描いたり。失敗の日々。納期に追われながら、必死に作業をコツコツとこなしていく。3年程度でいったい何機種に関われるっての。何も見えないよ。

体力の劣る僕は仕事が終わったあとはジムに通い、体を鍛えた。 頑張れば頑張るほど努力では届かない壁を感じ、報われるかわかならない先の人生への焦燥感が生まれる。 家に帰る途中に感じる孤独感は日々増していっていた。

残業代はきちんと出た。
世間的には大したことないが、長い間バイトだった僕にとっては大金が手に入るようになった。
ボーナスで母にダイヤのネックレスのプレゼントを買った。
その日、帰り道に事故って車の後部ドアを一枚全変えした。修理代は20万だった。

そして僕は、死の宣告を受けることとなる。

つづく