金タローです。
2019年3月、2年4ヶ月ぶりにアメリカ国債の長期金利が大幅に低下しました。 原因は、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)が年内の利上げを見送り、金融引き締めに慎重な『ハト派的』な姿勢を示したことで、アメリカや日本の債権が買われたためです。
債券と金利の関係をご存知でしょうか。
長期金利と短期金利について
長期金利とは満期1年以上の国債や社債などの利回りを指します。 長期国債には1年ものから40年ものなど、たくさんの種類がありますが、 一般的に指標とされているのは10年債の利回りです。
短期金利とは満期1年未満の国債や社債などの利回りを指します。但し、米国国債の長短金利差を映す場合は、短期の方に2年債の利回りを用いるのが一般的です。
債券価格と利回りの関係
金利と債券価格は相反する関係にあります。
・債券は価格が上がる(買われる)と利回り(金利)が低下
・債券は価格は下がる(売られる)と利回り(金利)が上昇
・金利が上がると価格が下がる
・金利が下がると価格は上がる
例えば5%で100万円の国債を購入したとします。 その後、景気が良くなり10%の国債が発行されることになりました。 そうすると、これから購入する人は10%のものを購入するので、 5%の債券を売ることが出来なくなります。
では5%の債券はどうすれば売れるのか。 価格を安くすることで売ることが可能になりますね。残存期間を考慮して、利回が10%のものと同じ価値を提供できる値を計算するだけです。 そうすれば最初の5%の債券の売れる価格を求めることができます。
10年国債を5%(債券A)、残り1年で10%もの(債券B)が発行されたとして、Aの債券がBと同じ価値を提供するならば、最低でも95万円以下でないと売れない訳です(手数料などを含まない単純計算で)。実際には債券を途中で売る人は少ないのですが、基本的な考え方はこの様になります。
買値 | 利回 | 利益 | |
A | 100万円 | 5% | 5万円 |
B | 100万円 | 10% | 10万円 |
終わりに
FRBのパウエル議長は、金融政策の変更が必要か忍耐強く判断しなければならない、判断は急がない、と述べました。また、ECB(ヨーロッパ中央銀行)も2019年の年末までは利上げを見送る姿勢を示しています。そのため世界が金融市場を緩和的な方向に誘導するとすれば、為替市場は円高に振れる可能性が高くなります。
それでは。
とーちゃんにまかせとけ。