金タローです。
老後の自分年金を作る目的や資産を増大させるに当たり、税制の優遇があるとして推奨され注目されるiDeCo(個人型確定拠出年金)。
20%近い控除を受けられることからiDeCo(イデコ)を推奨するファイナンシャルプランナーも多く見かけます。
しかしそのファイナンシャルプランナーは自分の身銭を切る投資家でしょうか。iDeCoにはメリットがありますが、それをはるかに上回るデメリットが存在します。
それを無視して万人に推奨するなど、手数料の高い投資信託を売りたい金融機関関係者ならともかく、ファイナンシャルインテリジェンスを鍛えた者の行うことではありません。iDeCoの税制メリットは非常に限定的です。
多くの人が『勘違いしている』というより『騙されている』様にすら伺えます。
確かにiDeCoにはメリットもあるものの、少し過剰評価され過ぎている気がするので、iDeCoのデメリットを正確に把握しておいて下さい。
目次
確定拠出年金とは

出典:ダイヤモンドZAI
年金を大きく3つに分類すると、『国による年金』『会社による年金』『自分で作る年金』に分かれます。確定拠出年金とは、このうちの『企業年金』と『自分で作る年金』に分類されるもので、iDeCoは『自分で作る年金』に入ります。
①公的年金(国による年金)
a.厚生年金
b.国民年金
②企業年金(会社による年金)
a.企業型確定拠出年金(企業型DC)
b.確定給付企業年金
c.退職等年金給付
d.厚生年金基金
e.退職一時金
③自分で作る年金
a.個人型確定拠出年金(iDeCo)
b.国民年金基金
節税対策としてのiDeCo(イデコ)

出典:ダイヤモンドZAi
個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入していれば、掛金が所得控除の対象となり、会社員なら15~30%の税金が還付されます。逆に言うと税金をあまり納めていない人には還付しようがありません。また、住宅ローン減税など、他の還付金額との兼ね合いもあります。
投資を行う時に気を付けなければならない物の筆頭は『税金お得になります系』の商品です。政府は馬鹿ではありません。
トータルで政府にメリットがないことをする訳がないでしょう?そんなに気前よく税金を還付してくれると思っていたら大間違いですよ。次項でそれについて説明して行きたいと思います。
iDeCo(イデコ)に22歳で加入し38年間運用した場合の実質年利は1%未満
還付はその年の賭け金にのみ適用されます。翌年の節税効果はありません。22歳からIDECO(イデコ)に加入して38年間、その年の賭け金に対して20%の還付を受けたとします。月々1.2万円を払い込んでいれば、最終的に548万の支払に対して109万円が返ってきます(税金を払っている人など条件有)。
最終の支払額に対して戻ってくる金額が20%ですね。
でもこれ、38年間を費やしての20%ですから、年利換算すると1%を切ります。投資商品として見ればゴミの様なものです。国債を下回る様な利益しか出せていないのならば、それは投資家としては敗北です。
特別法人税が復活する可能性
イデコには本来税金がかかりますが、現在は凍結されている状態です。
特別法人税とは
企業年金の年金積立金に対し、法人税法上課税される税金。企業年金制度では掛金を拠出した時点で各従業員の年金支給額が確定していないため、実際の給付時まで課税を繰り延べることとされている。
その遅延利息に相当するものとして、年金積立金に対して特別法人税が課税される。厚生年金基金の場合は、国の厚生年金を代行していることから、代行部分の3.23倍に相当する額までの積立金は非課税とされ、それを超える部分に1.173%の特別法人税が課税される。
確定給付企業年金、確定拠出年金の場合は、積立金の全額に、一律1.173%の特別法人税が課税される。なお、平成32年3月31日までは、特別法人税の課税は凍結されている。
企業年金連合会HPより抜粋
もし仮にこの税金が復活した場合、1.173%の運用益を超える事ができなければどんどん元本が減って行くことになります。大きな運用益があればよいですが、節税効果など吹き飛んでしまいますね。
iDeCoは長期ではお金を働かせない(悲惨)
イデコの大きなデメリットが、おわかりでしょうか?
iDeCoは確かに一年目は投資の神様であるウォーレン・バフェット級の凄まじいリターンをもたらしてくれるのですが、38年目は約500万円の資金に対して2.8万円の還付しかありません。
投資家の本分は『お金に働いてもらう』ではありませんか?それなのにほとんどの資金を眠らせている状態です。
ちなみに月々1万円を3.5%の利回りで再投資運用していれば、38年後には手元に1100万円を超える資金が残っています。iDeCoが38年後にトータルで650万円しか受け取れないのに対してその差は歴然です。
但し、先ほども申しました通り、iDeCoの先の投資商品の能力は考慮していません。しかしこの考え方が出来ていない投資の素人にiDeCoを推奨したり、投資信託を選択させたりというのはいかがなものでしょうか。多くの人が常に全体の20%の得をしていると勘違いしていますし、間違った投資信託を選択してしまえば、老後の蓄えどころの話ではありません。
iDeCo(個人型確定拠出年金)に騙されるな!加入してはいけない人
つまりiDeCoは20代の若い人が長期で加入すべき物ではないんです。目先の20%に騙されると期間を長くとればとるほど節税効果は減少し、損をするようになっている訳です。期間を短くとれば年利は上がりますので40代の人には加入する価値はあるのですが、それは株式の長期保有によってリスクを低下させるというシステムを利用できないことにもなります。
結論を言うと、iDeCoは長期保有で損をする可能性が高いということです(元本がマイナスになるという意味ではなく、パフォーマンスが低いということです)。
途中で解約させない、なんてよく考えてあると思いますよ。年金を自分で作って欲しい政府が、多少の補助はするからリスクは自分で負えと言っているだけでパラダイス商品ではありません。
iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入した方がよい人
iDeCoにはメリットがない訳ではありません。iDeCoのみの性能に着目した場合、加入期間が短いほど効力を発揮します。そのため40代だと価値が出て来てきます。日本株式の長期リターンを超えるあたりの年利をとれるなら構わないと思うためです。40代後半ならライフプランも固まってきて急な現金化の必要性に慌てる可能性も低くなってきますし。
但し、iDeCoの先の投資対象である株式のリスクを無視するのならばの話で、今度は期間が短いと株式リスクが非常に高まるという弱点もあります。
その他にiDeCoに加入した方が良い人は、自分で貯金しておこうと思いながらもついつい老後の資金に手を付けてしまったり、長期投資ではなく短期売買を繰り返してしまったりギャンブルから抜け出せない自制心の弱い人です。そういう人から強制的に60歳まで資金を切り離すというのが、iDeCoの一つの正しい使い方でしょう。
iDeCoのデメリットに注意!
60歳まで資金を引き出せません!恐るべき資金拘束です。そしてiDeCoの先の金融商品の選択次第では元本割れする可能性もあります。どの商品を選択するかは重要です。何も考えずに適当なアセットアロケーションを組めば、元本割れの確率は増大し資産を減少させることになります。
イデコに加入する場合はメリットとデメリットをよく検討して下さい。途中解約できませんからね。
それでは。
とーちゃんにまかせとけ!
