EPSとはアーニング・パー・シェア(Earning per share)の略で
「1株あたり純利益 」のことです。
EPSは、単純に赤字か黒字かをみることができるだけではなく、配当性向やROE、内部留保など企業の成長の源となる指標を計算するときに必要になるものです。頭の片隅に入れておいて下さい。
EPS(一株当たり利益)の計算方法
EPS計算の基本式
EPSは下記の式で表されます。
※ 当期純利益=税引利益
例えば、利益100円に対して、総株数が10株なら、EPSは10円になります。
同じ利益ならば、株式数が少ないほど高いEPSになります。
EPS計算の別式
EPSは、以下の式でも求めることができます。
EPS = ROE × BPS
ROE:株主資本利益率、 BPS:1株あたりの株主資本
PER:株価収益率
EPSが示すもの
EPSは割合ではなく、1株いくら稼いだかという利益の絶対値です。
ここから配当や内部留保に割り当てられるため、株主にとってのリターンを把握するために非常に大事な値となります。
EPSの注意点(成長なのか財務操作なのか)
右肩上がりにEPSが成長していても利益が増しているとは限りません。
例えば下の表をみて下さい。
当期純利益 | 発行株数 | EPS | |
---|---|---|---|
2017年 | 1000 | 100 | 10 |
2018年 | 800 | 40 | 20 |
2017年から2018年にかけて利益は減少しています。
しかし、EPSは上昇しています。自社株買い戻しを行えば、発行済株式数を減少させることができるのです。
発行済株式数が減ればEPSは増加するので、利益成長率はマイナスであるにも関わらず、一見成長している様に見える訳です。
逆に、資金調達のために発行株式数を増やせば、EPSは減少します。
他にも資産の売却などによる企業本来の収益ではない利益が入っているかもしれません。意図的に上げたり下げたりできる値でもあるということです。
但し、自社株買い戻しは、成長のための有効な手段ともなります。
一株あたりの利益が増していることは確かであり、PERや株価も好転します。
財務操作により、EPSをごまかしていると判断するべきかどうか、見極めてください。
おわりに
株式投資において過去数年間のEPSの動向は非常に重要です。EPSが上昇傾向なのか下降傾向なのか、その傾向の原因は何であり、これからどうなるのか。
EPSが乱高下する銘柄はバフェットなら投資を控えるかもしれません。
しかし、シーゲルなら利回りなどの他の関連指標によっては推奨するかもしれません。
投資家はEPSを把握し、自分の信じるスタイルによって判断して下さい。
それでは。
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