金タローです。
長期投資家がエネルギーセクターに求めているものは成長ではなく安定した永続するインカム、すなわち現金の配当です。
自社株買いよりも確実なキャッシュの還元こそが信頼の証であり、投資家のリターンを最大限に高めます。それは日本の投資家のみならず、本家アメリカの投資家達の多くがそう考えているはずです。
シェブロン(CVX)がアナダルコ・ペトロリアム(APC)を買収
シェブロンは石油・ガス生産大手であるアナダルコを買収すると発表しました。
一株65ドルで4割近いプレミアム価格での買収です。
これが確定すればシェブロンは原油生産で日産360万バレルとなるため、エクソンモービル(XOM)の380万バレルに迫り、5位から2位になります。
また、アナダルコの天然ガス開発の力を得て液化天然ガス(LNG)事業が強化されることになります。
シェブロン(CVX)の株主還元への姿勢
買収はリスクを伴うため株価を下落させます。長期投資家の最も大きな懸念は株主へ還元するべき配当がへの資金が失われることです。
低成長セクターが株主に恩恵を与え評価されるためには、支出を抑え無駄な資金を垂れ流さない健全なキャッシュフローを維持することが必要です。
シェブロンは買収資金の原資として2億株を発行し、150億ドルの純負債を継承します。
シェブロンのマイケル・ワースCEOは、この買収によりキャッシュフローを増加させることで自社株買いを年間40億ドルから50億ドルに拡大してさらなる株主還元を進めることが可能となると述べています。
成長エンジンの稼動はまだ先の話だが種を巻いておくべきかもしれない
現在のシェブロンは、短期的な投資先としては全く持って旨みはありません。エネルギーセクターの将来の展望性の低さ。米国の投資家にとっては4%という高い配当も、約3割が税金に取られてしまうインカム狙いの日本の投資家から見ると、中途半端な状態です。
そしてアナダルコの買収が効果を発揮するには時間を要します。
しかし成長エンジンが動き出し加速度を上げ出した頃に、その高速バスに乗りたくなってもそれは手遅れというものです。
だから同セクターのエクソンモービルの買い増しを検討している日本の長期投資化は、少々シェブロンに資金を割り振っておいても面白いかもしれません。
あわてる必要はありませんので、ゆっくり考えてみてください。
投資において、分散投資は初心者の基本です。これは当ブログ内でも口を酸っぱくするほど言っていますが、自分が才能ある投資家だと考えないようにして下さい。
国を分散させ、セクターを分散させ、銘柄を分散させることで、負けないポートフォリオを構築することが大切です。
短期売買を繰り返す投資家の敵は投資家ですが、長期投資家の敵は己です。
それでは。
とーちゃんにまかせとけ!