分散投資は負けない投資-前編【ユダヤの財産三分法と株式投資】

金タローです。

今では情報通信の進歩により簡単に世界経済に投資ができるようになりました。日本は縮小市場ですが、世界には新たな機会、市場、未来ある投資対象が溢れています。

ジェレミー・シーゲルや多くの投資家が国際分散投資を推奨するように、こうした機会を存分に利用し資本主義経済の恩恵を享受したいのならば、ポートフォリオの幅を広げておくことが戦略の一つだと考えます。

卵を一つの籠に盛るな、は鉄則です。

但し、注意して欲しいのは『成長市場への投資は高いリターンとイコールにはならない』ということ。割安な状態で買うことが大切で、どんな国でもいかなる時も、適正価格を超えた価値でつかんではいけません。

戦略の基本は『配当』『国際分散』『バリュエーション』です。

僕はアメリカ・イギリス・日本をメインとして、補助的に10ヶ国以上の国々へ投資を行っていますが、何よりも重要なことは、銘柄選択よりも『資産配分』をどうするかということです。

資産は『現金と商品と不動産』に三分割

富豪の多いユダヤ人は資産を三分割にして考えます。『現金』と『金融商品』と『不動産』です。債権を入れた4分法という考え方もあります。但し債権はインフレに弱く長期的なリターンに乏しいため、長期的に資産を増大させていく戦略の場合はあまり重要ではありません。短期的に資産を守りたい場合でも組込み比率はよく検討して下さい。

金融商品には株やコモディティなど様々なものがあります。僕が比重を最も高くおいた方が良いと思うのは『株式』です。FX、ビットコイン、ソーシャルレンディングなど人それぞれ得意分野や好みがあると思いますが、それらは扱いによっては非常に高いリスクを背負わなければならず、それ相応の努力や力量、もしくはが必要になり、最悪の場合は資産を失います。

株式であれば、銘柄を分散し長期的な保有をすることでリスクを大きく減らすことが出来、また、価値を創造していくことからインフレにも強い優れた金融商品となっています。

株式のセクター分散

財産の三分割の中の金融商品を株式だとした場合、その株式の中でも分散を行う必要があります。それが一つの業界に集中投資するのではなく、業界を分けるという考え方です。

世界産業分類基準(GICS)と過去のパフォーマンス

1999年にスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とモルガン・スタンレー・キャピタル・ インターナショナル(MSCI)が世界産業分類基準(GICS)を作り、業界を大きく10セクターにわけました(現在は11セクター。)。

セクター分散投資とはこの業界単位で分散するということです。

下表は1957~2003年のセクター別リターンです。

金融 Financials 10.58%
情報技術 Information Technology 11.39%
ヘルスケア Health Care 14.19%
一般消費財 Consumer Discretionary 11.09%
生活必需品 Consumer Staples 13.36%
資本財 Industrials 10.22%
エネルギー Energy 11.32%
電気通信 Telecommunication 9.63%
素材 Materials 8.18%
公益事業 Utilities 9.52%

現在は不動産セクターを加え、電気通信サービスセクターが廃止されて
コミュニケーション・サービスセクターが新設されています。

黄金セクターはどれか?

過去にパフォーマンスがよかったのは生活必需品ヘルスケアセクターです。どちらもBtoC (Business to Consumer)の 一般消費者を相手にする企業であり、新興企業が参入しづらくバフェット的に言えば『お堀』を持っている場合が多いので、これらの企業はよいパフォーマンスを示してきました。

どちらかと言えば『攻め』というよりは不況時などの『守り』に強く、長期的に生き残ることが出来たことが結果として株主にリターンをもたらしたということでしょう。

セクター成長率とリターンの関係は?

セクターの成長率とリターンの大きさは関係がありません。目覚ましく成長をとげるセクターのバブルは必ずどこかではじけます。また、時価総額の大きさとリターンの大きさも相関もありません。時価総額が大きいからと安心しているとGEのような大暴落に巻き込まれます。企業規模の大きさや話題性の高い成長セクターに投資することは慎重にならなければならない行為であり、逆に言えば、高配当戦略であれば低成長セクターを避ける必要がないということです。

株式の国際分散

機会損失と一国集中投資の危険性

日本の投資家は日本の株式に投資している者が多く、それは他の国でも同様にみられる傾向でホームバイアスが強くかかっています。税制の面から言えば、自国というのは多少有利になることもありますが、投資を税制面のみから判断することは好ましいことではありません。むしろ税金がお得になりますよ、という類の商品は落とし穴が多くて気をつけなければならないものです。

一国に集中投資するということは、景気が良い時にはその恩恵を最大限に受けることができる反面、後退局面においては非常にリスキーなことになります。

13世紀の中国文明は世界の最高水準に位置しており世界を征服できる力を持っていながら、明の圧政による抑圧が成長を阻害し衰退しました。一人の人生の中で企業の栄枯盛衰にはたくさん出会います。歴史の中でみれば、国と言う単位で見られる現象です。現在はアメリカの国力が世界ではNo1とされているものの、それは磐石なものではなく再び力をつけた中国や新興国がトップの座に躍り出ないとは言えません。

ニュースで見聞きする情報が真実だとは限りません。欧州の人間は欧州のニュースを見ているし、中国の人間は中国のニュースを見ています。都合のよい聞きたい話しだけを聞き、見たい物だけを見て、変化に対応せず抗う者は、時代に取り残され没落していくでしょう。通信・情報・IT革命が起こり、どの国も力をつけやすい環境が整っています。世界経済を見通しグローバルに活躍する企業は強く、個人投資家にも同じことが言えるのではないでしょうか。

世界のリターンランキング

グラフ

出典:株式投資の未来より

株式のリターンでは日本はアメリカに劣っています。どの期間を抜き取ってみるかにもよるのですが、1900年~2003年まででは日本は4%程度となり、1989年~2002年までの期間に着目すれば、マイナス5.5%です。いかに日本への集中投資がリスクの高いものであるかがわかると思います。

対して経済大国アメリカのリターンは約6%であり、優秀とはいえ世界的にみれば例外的な位置づけでもありません。過去のスウェーデン、南アフリカ、オーストラリアに劣っています。

GDP成長率の低いオーストラリアのリターンが高いという結果は、成長率だけを追ってはいけないという証明です。これから先は成長著しい国としてインドが上がってくるでしょうが、バリュエ―ションに気をつけなければなりません。

また、上図より読みとれることは、債権のリターンが非常に低いということ。株式に圧倒的な優位性があることを示しています。

新興国への投資

僕は大きなリターンを求めたいので、アメリカや日本においてのインデックス投資は控えめです。しかし、新興国への投資ともなると個人投資家に流れてくる情報は微々たるものなので、グローバルインデックスを用いるのも一つの手です。但し、配分は低めに設定しておくことが懸命です。ジムロジャースは北朝鮮に投資したいと言っていますが、株式市場がないため一般の投資家はまだ投資ができません。そういう視点だけを持っておけば十分です。かつてのアメリカの50年で再投資し続けていれば、10万円が億に育ったというケースがありました。それを念頭に入れておけば、下手なギャンブルに手を出すよりも正しいことが何かが分かるはずです。

終わりに

資産配分には万人向けの唯一無二の絶対的配分はありません。人それぞれ、年齢やこれから先にかける時間、求める結果が違うためです。少ない資金で大きなリターンを求めれば投機的側面が増し、投資とは言えなくなってくるので注意して下さい。

僕は投機的なものを一律に否定はしません。若い時は失ってもいい資金の範囲内でチャレンジして大きく種銭を伸ばすことも一つの手です。失敗しても労働によりリカバリーができる訳ですから。但し、場合によっては道は遠のくという覚悟を持たなければならないし、年齢が高くなればリスクを抑えることは必須です。こらえる忍耐と自制心が投資家には必要です。

ここまでが、『金融商品』と『現金』と『不動産』という資産を三分割にして考える方法の『金融商品(主に株)』の部分です。後編では『現金』と『不動産』についてと具体的な配分について触れたいと思います。

花 分散投資は負けない投資-後編【REITと現金の資産配分を戦略に】

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